狭心症について | 東京メディカルクリニック

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狭心症について

狭心症は、類似した病気の心筋梗塞と合わせ、虚血性心臓疾患と呼ばれています。「虚血性」とは「血液が不足している」という意味です。
狭心症は心臓を取り巻く血管・冠動脈が細くなって血液が流れにくくなった状態です。
動脈硬化などを起こした冠動脈に沈殿物などが沈着すると、血管が狭くなり血液の流れが悪くなります。
そのため心筋が血液不足となり一時的に酸素不足の状態に陥り、胸の痛みなどの症状が現れます。

虚血性心臓疾患は、がん・脳卒中と並ぶ日本人の3大死因の一つで、高齢化社会を迎え、患者数は増加の一途です。
初期症状はほとんどなく、冠動脈の内腔が75%まで覆われたとき、胸の痛みや動悸、息苦しさなどの狭心症の症状が現れます。
狭心症は心筋梗塞に移行しやすく、それゆえ恐ろしい病気と言われています。
再発・心筋梗塞を防ぐためにも発症した段階できちんと対処しておくことが重要です。

狭心症の原因

胸部の痛み

狭心症では、心臓の栄養血管である冠動脈の血管内腔が狭くなることにより、心筋に十分な血液や酸素が一時的に送り込めず心臓は酸素不足となる心筋虚血状態となり、胸の痛みや圧迫感などの狭心症症状を引き起こします。

狭心症の原因は動脈硬化(血管が硬くなった状態)です。コレステロールなどが冠動脈内に沈着すると動脈硬化の固まり(動脈硬化巣)ができます。これを粥腫(じゅくしゅ)と呼んでいます。最初は小さな固まりですが、動脈硬化が進むにつれこぶ状に盛り上がり、血管が狭まります(狭く が前述なので)。すると血液の流れが悪くなり心筋は酸素不足となり、正常に機能しなくなります。

動脈硬化の危険因子は以下になります。

  • 年齢
  • 性別
  • 家族歴
  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 糖尿病
  • 高尿酸血症
  • 喫煙
  • 肥満
  • 運動不足
  • ストレス

狭心症の前兆、症状

狭心症の代表的な症状

  • 胸痛・胸が締め付けられる感じ
  • 胸が押さえつけられる感じ
  • 胸が焼け付くような感じ
  • 背中の痛み
  • 歯が浮くような感じ
  • 左肩から腕にかけてのしびれや痛み
  • 息切れ
  • 失神発作
  • 冷や汗や吐き気 
  • めまい
  • 顎から首へのしびれや痛み

狭心症の初期症状

  • 胸痛、胸部圧迫感: 狭心症の最も代表的な初期症状で、運動時やストレスがかかった時に症状が現れます。休息することで改善されることが多いです
  • 息切れ、動悸: 心筋への血流障害によって不整脈が生じて動悸を自覚したり、息切れを感じたりすることもあります
  • 吐き気、冷や汗: 心筋への血流不足が重症化すると吐き気や冷や汗、頭痛などを伴うことがあります

受診・予防の目安となる「狭心症」のセルフチェック法

  • 突然の胸痛、胸部圧迫感がある場合
  • 息切れ、呼吸困難がある場合
  • 動悸がある場合
  • めまい、意識消失がある場合

これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。また、定期的な健康診断や生活習慣の改善も狭心症の予防に役立ちます。
具体的な治療法については、医師の指導に従ってください。狭心症は早期発見と適切な治療が非常に重要です。

他にも様々な症状や他の疾患との鑑別が必要な場合がありますので、疑わしい症状があれば早めに医療機関を受診し医師にご相談ください。

狭心症の発作の起こり方の特徴

労作性狭心症

歩行、階段昇降などの身体的な労作、精神的なストレスが誘因となり心臓が酸素を多く必要とするときに、冠動脈が狭くなり十分な血液を心臓に送ることができず心筋が酸素不足となって胸痛発作が起こります。安静にすると長くとも5分以内で症状は改善します。

安静時狭心症

労作・ストレスに関係なく起こる狭心症で明らかなきっかけは特になく冠動脈が一時的にけいれんしたり心臓に送られる血液の量が減って起こる狭心症です。冠攣縮性狭心症など。
夜間・明け方にかけての睡眠中に起こることが多いのが特徴です。

安静時狭心症

発作の起こり方が一定している狭心症で、労作性狭心症の大部分がこれに属します。

狭心症の症状が数ヶ月以上安定しており心筋梗塞への移行が少ない狭心症です。

不安定型狭心症

症状が軽労作または安静時に起こります。最近1ヵ月の間に症状が新しく始まり、
毎日のように1日に何回も発作症状を繰り返します。ニトログリセリンが効きにくくなった状態の安定しない狭心症です。心筋梗塞へと進展する可能性の高い病気です。

狭心症の検査

心電図・・・狭心症発作が出現していない時は正常を示すことが少なくありません。

ホルター心電図・・・安静時狭心症のように負荷では再現できない症状については、夜中や明け方の状態も知ることができるように24時間心電図を記録するホルター心電図が使われます。

胸部レントゲン検査・CT検査・・・自覚症状が似ている肺疾患やその他の心疾患の鑑別のための検査になります。

血液検査・・・自覚症状が似ている心筋梗塞ではCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)が上昇するため、鑑別のためにも行う場合があります。

心臓超音波・・・心臓の壁運動の低下がないかを検査します。

冠動脈CT・・・心拍に合わせ心臓の撮影を行う造影CT検査で,主に心臓を栄養する血管である冠動脈を調べます。カテーテルをつかった冠動脈造影検査と比較して、非侵襲的な検査なので外来で行う事が可能です。

他の検査では、当院では行うことは出来ませんが、狭心症が疑われる場合に症状出現時の状態を調べるため負荷心電図・運動負荷試験・RI検査・カテ-テルを用いて行う冠動脈造影などがあります。

狭心症の治療

患者さんの状態、冠動脈の病変の程度によってさまざまな治療方法が考えられます。
具体的には薬物療法、カテーテル治療(インターベンション)、手術治療があります。
これらの治療法は下記の3点から患者さんの状態や生活に合わせて選択します。

  • 現在の苦しみ(胸痛、息苦しさなど)から開放させる。
  • 将来、危険のある心筋梗塞発作を予防する。
  • 慢性的に弱ってくる心臓を治療し、悪化しないように予防する。
  • 薬物療法

    冠動脈の病変の程度が軽度、または病変の場所があまり心臓に重大な影響を与えない場合があります。冠動脈疾患で使用する薬は、冠動脈を広げる薬、冠動脈に血液が固まってつまるのを予防する薬、心臓の負担をとる薬がありますが、いずれも予防薬です。発作時に飲む薬(ニトロペン)もあります。
    ごく軽い狭心症では、こうした薬物治療だけでよい場合もありますが、一般的には、薬だけで軽快することは難しく、カテーテル・インターベンションや冠動脈バイパス手術を選択する必要が出てきます。

    ニトログリセリン

    ニトログリセリンは、狭心症の発作が起きたときに、応急処置として飲む舌下錠です。舌の下に入れて溶かすと、すぐに体内に吸収され、1~2分で発作を抑えます。一時的に血管を拡張させる作用があるからです。ただし、持続性のない救急用の薬なので、治療薬は別に求めなければなりません。また、救急用としても、狭心症には効きますが、心筋梗塞にはあまり効果がありません。

    抗血小板薬・抗凝固薬

    代表的な抗血小板薬はアスピリンです。狭心症の治療薬としては、「抗血小板療法」や「抗凝固療法」の薬が基本で、どちらも血液が固まるのを防ぐことで冠動脈の血流を良くします。抗血小板薬は、血を固める作用のある血小板の働きを抑え、血を固まりにくくします。

    硝酸薬・カルシウム拮抗薬

    硝酸薬やカルシウム拮抗薬は、冠動脈を拡張させることで血流を改善します。

    交感神経ベータ遮断薬(ベータ・ブロッカー)

    交感神経ベータ遮断薬は、血液の量を減らすことで血流を改善します。このほか、血糖を下げる作用のある薬を使う場合もあります。

    カテーテル治療(インターベンション)

    細い管のみで治療できるため、患者さんの負担も少なく一般的に行なわれる治療になりました。
    腕または足の付け根の動脈から管を入れて、心臓の冠動脈まで到達させます。 そこで内腔が狭くなっている冠動脈を風船のように膨らませて、冠動脈を拡げ血流を改善します。
    金属製の網を血管内に入れるステント治療もあります。
    ステントを使う場合は、バルーンの先端にステントを折りたたんだ状態で装着し、冠動脈の狭まった箇所まで持っていって膨らませます。

    カテーテル・インターベンションの長所と短所

    【長所】

  • 体にメスを入れるわけではないので、外科手術に比べ体の負担が軽い。
  • 数日の入院で手術を済ませることができる。

  • 【短所】

  • 外科手術に比べ再発率が高い。
  • 1枝病変では力を発揮するが、2枝病変や3枝病変、あるいは他の疾患も合併しているような、より重篤な症状の場合は、外科手術でなければ対応できない。
  • 手術治療

    冠動脈バイパス手術(CABG)

    冠動脈の、詰まったり狭くなったりした箇所を迂回して、新たな血管(バイパス)を繋ぐ手術です。
    バイパスすることにより血の流れの少ない冠動脈の血流を改善させることができます。
    事故で走行できる車線が減り、大渋滞しているとき、脇道(バイパス)を設けて車がスムーズに流れるようにするのと同じです。
    カテーテル治療が内科治療であるのに比べ、冠動脈バイパス術は外科治療となります。

    カテーテル治療と冠動脈バイパス術の選び方

    カテーテル治療は簡便で患者さんの負担が少ないため、なるべくカテーテル治療で治療できるものであれば、カテーテル治療を第一選択にします。
    しかし、カテーテル治療にも限界があります。
    最近では薬物療法、カテーテル治療、手術治療での大規模な患者さんの治療成績が明らかになってきました。
    その結果をもとに海外および日本でも狭心症、心筋梗塞に対する治療のガイドラインが出されています。

    手術が勧められる場合

  • カテーテル治療で完全に治療できない場合
  • 何度も再発を繰り返す場合
  • カテーテル治療が不成功に終わった場合に命にかかわる場合
  • 実際、カテーテル治療か手術か判断の難しい場合が多くあります。診ていただいた循環器内科医の説明を聞いて判断しましょう。

    狭心症の予防

    狭心症の主な原因は動脈硬化です。
    動脈硬化の危険因子を理解し日常生活でも注意するようにしましょう。

    • 禁煙を行う
    • 過度な飲酒は避ける。
    • 生活習慣病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症)の治療を行う
    • コレステロールやカロリー・塩分の多い食品、とくに動物性脂肪を控える
    • 医師と相談し日常生活に適度な運動を取り入れ、肥満を改善させる
    • 気分転換を図り、ストレスを避ける
    • 十分な睡眠をとり規則正しい生活を送る

    上記のような症状が出たらかかりつけの先生にご相談下さい。
    当院では、循環器内科にご相談下さい。

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