溶連菌感染症について
溶連菌(ようれんきん)感染症って何?
「のどが痛い、熱が出た」こんな症状の場合、インフルエンザや新型コロナウィルスを考えるかもしれませんが、大人の方は、子供からうつった溶連菌感染症かもしれません。ここでは溶連菌について、症状や流行時期、検査、お薬、仕事に行ってよいかなどについて解説します。
溶連菌とは?
A群β溶連菌(ベータようれんきん)(溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌になります。
抗生物質が無い昔は伝染病として恐れられましたが、現在では治療法が確立されています。
溶連菌の潜伏期間は約2~5日と言われています。最初に現れる症状は、人によって異なりますが、のどへの感染に引き続き、発熱(38~39℃)のほか、手足に小さな赤い発疹が出たり、舌の表面に赤いぶつぶつができたり(苺舌)します。風邪の症状のように咳や鼻水が出ないのがこの病気の特徴です。
扁桃腺が弱い方は比較的かかりやすいです。
比較的に6~15歳の学童に多く見られますが最近成人でも症状のある方がいらっしゃいます。
家族の間での感染率は20~60%もあるとされているので、子供が溶連菌だと診断されたら、マスクをして飛沫を防ぐとともに、手洗い・うがいを徹底しましょう。
溶連菌の症状は?
- 全身倦怠感(けんたいかん)
- 発熱(38℃以上)
- 唾を飲み込むとのどが痛い
- のどや扁桃腺が腫れ、口の中に白い部分がみられる
- 咳やくしゃみがほとんど出ない
- 鼻水、鼻詰まり等の症状があまりない
- 腰、肘、膝、足など比較的大きい関節の痛み
※腫れて熱を持つこともあります
症状の重い風邪・インフルエンザと似たような症状になります。 特に11月~2月の冬の期間はインフルエンザとの判断が難しい季節になります。
きちんと自分の自覚症状等を医師に話しましょう。
溶連菌が流行する時期は?
溶連菌が活発に活動を始めるのは11月から4月ですので、この期間は要注意時期です。しかし、流行時期でなくとも溶連菌にかかる可能性はあります。感染経路は、感染者の咳くしゃみで飛び散った菌を吸い込んでしまう飛沫感染と、タオルや食器などを通して感染する接触感染の2種類があります。
溶連菌の検査の方法は?
最近は簡易検査キットがあります。インフルエンザの簡易ワクチンのようなものです。
診察日当日に検査が可能です。約15分程度で検査結果の確認が可能です。
溶連菌の治療方法は?
溶連菌感染症の治療にはペニシリン系の抗生物質(サワシリン、ワイドシリン、パセトシンなど)を使用します。ペニシリン系の抗生物質にアレルギーがある場合にはエリスロマイシン(エリスロシンなど)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッドなど)を内服します。
また、セフェム系の抗生剤(メイアクト、フロモックスなど)などを使用することもあります。リウマチ熱、急性糸球体腎炎など、非化膿性の合併症予防のために、少なくともペニシリン系であれば10日間、セフェム系であれば7日間は確実に内服することが必要です。
早めに使えば症状はかなり良くなります。
翌日には症状が治まったと油断して、薬をやめてしまう人がいるのですが、それは非常に危険です。
溶連菌は、薬をやめた途端にまた増殖を始めます。
治ったと思ってもぶり返すことがあるので、処方された薬は全て飲みきることがとても大事です。
また、再発してしまうと、急性腎炎やリウマチ熱、血管性紫斑病、中耳炎、気管支炎などの合併症を引き起こすなど重症化してしまう危険もありますから、十分注意しましょう。
溶連菌は人にうつるの?会社や学校に行ってもいいの?
溶連菌に感染したことがわかったら、会社や学校は休みましょう。
感染力の強い病気ですから、他の人に感染する可能性があります。
基本的には抗生物質を飲み始めてから24時間経過すれば感染力はなくなると言われており、症状も2~3日で治まります。熱が下がり、他の症状もなければ出社することは可能ですが、職場や学校で規定がある場合は規定に従ってください。
溶連菌まとめ
- 溶連菌は子供の病気のイメージが有りますが大人もかかります。
- 子供が溶連菌だと診断されたら、マスクをして飛沫を防ぐとともに、手洗い・うがいを徹底しましょう。
- のどの痛み、発熱がある場合は医療機関を受診しましょう。
- 特に11月~4月の流行期間はインフルエンザと判別がつきにくいので検査を受けましょう。
- 症状が治まっても、お薬(抗生物質)は最後まで飲み切りましょう。
- 薬を飲んで24時間以上経過し、熱が下がって他の症状がなくなるまでは会社や学校は休みましょう。
- 診断がつき、きちんとお薬を飲めば良くなる病気です。
上記のような症状が出たらかかりつけの先生にご相談下さい。
当院では、内科にご相談下さい。
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