結核について。症状や潜伏期間、結核の治療について。大人も注意です,健診会東京メディカルクリニック

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結核について

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現在も身近な病気の結核!!

皆さまは結核を昔の病気と思っていませんか?
結核は結核菌によっておこり人から人へ感染する種類の病気です。現在、治療薬では効かない結核が増えるきざしを見せております。
結核は昔の病気でもなく今でも比較的身近な病気です。

結核とは

結核とは、「結核菌」という細菌による慢性感染症です。
患者のくしゃみや咳の際に体外に排出された結核菌は微細な大きさのため、なかなか落下せず空気中を漂っています。
この結核菌を肺の奥深くまで吸い込んで、小さな病変ができて、時には肺の入り口のリンパ節が腫れた段階で感染が成立したことになります。
感染が成立しても、多くの場合は人の免疫の力で抑えられますが、吸い込んだ菌が非常に多い場合や、免疫が低下している場合には「結核症」に進むことになります。

当初できる細い気管支の先端の病変(散布性病変)が集まって組織が融けて空洞(穴が空いた状態)になります。
ここから結核菌は気管支を通って肺の他の部分に広がり、リンパ流や血管内に入って全身に広がっていきます。
最後には肺の組織の大部分が破壊されて呼吸困難や、他の臓器不全を起こして生命の危機を招くことになります。

なかなか減らない結核の患者

結核は、かつての日本では亡国病といわれるほど高いまん延状況を示していました。
しかし戦後は急速に低下し流行は終わったといわれましたが近年再び発生が増加傾向になり先進国の中で数倍の高さの水準にあることから、結核中進国と世界的には位置付けされてます。
欧米の先進国は結核罹患率が人口10万対10以下の低まん延国になっているのに対して、日本は2020年に人口10万人あたり10.1と「中まん延国」であり、12,739人の患者が報告されています。
一般の人のみらなず医療従事者も結核への関心が低下しているために発見が遅れる場合があり、集団感染の原因になっています。
大半を占める高齢患者は典型的な症状がないために診断が遅れることがあり、重篤な合併症を持っているために、しばしば予後不良になります。
近年は若年者を中心に外国出生の患者が増加しています。結核は今も日本の最大級の感染症です。

結核が増えている理由について

色々なことが要因と考えられていますが主に下記のような件が原因と考えられています

  • 集団感染の増加

    若い世代で結核に対する抵抗力を持たない人の増加

  • 重症化、重症発病の増加

    なかなか結核と疑わないため診断が遅れる場合もまれに有ります。そのような場合は遅れてから診断されるため重症化する場合もあります。

  • 高齢者での発病の増加

    多くの人が戦前、戦後に感染を受けており、老化や他の疾患等の問題で発病する場合が有ります。

  • 多剤耐性結核の出現

    医療現場で使われる抗生物質が効かない結核菌が現れています。もともと抗生物質が有効だった種類の結核菌でも突然変異をして効かない菌が出現してきました。
    この現象はほかの病気でも現れていて新しい抗生物質と耐性菌といたちごっこのような現象を起こしています。

どのようにして発病するのですか??

結核は感染しても必ずすべての人に発病するわけではありません。
健康であれば、菌を吸い込んだあと、人の体は免疫力によって結核菌を抑え込んでしまいます。その人の体力が低下したり、病気で抵抗力がおちると、結核菌が再び活動し、発病する可能性があります。
肺結核を発病した初期症状は,風邪のような症状です。
そのため2週間以上風症状が継続したり、1週間以上長引く咳や、風邪症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返すようなら医療機関へ受診をすることを勧めます。

どのような感染経路があるのですか?

空気感染、飛沫感染によって結核に感染します。
結核菌は、人か咳をすることで空気中に撒き散らされます。空中で浮いているのを他の人が吸うことで感染します。手を握る、同じ食器を使うなどでは基本的には感染しません。
空調換気の悪い狭い場所(電車、バス等)などは結核菌の飛沫が長く滞留する為その場に結核菌の保菌者がいなくても感染することがあります。
換気の悪い狭い所はマスク等をするようにして特に感染に注意をしましょう

結核の診断と検査はどのような方法があるのですか?

レントゲン検査、胸部CT検査、喀痰検査(タンの検査)などで行います。
まずはレントゲンの検査を行うことが多いです。
初期の症状の頃にレントゲン検査の撮影をしても映らない場合が有るので、強く感染を疑う場合は初期に胸部CT検査を行う場合が有ります。

どのように治療するのですか?

ほとんどが薬による薬物治療です
現在使われている薬剤はリファンピシン イソニアジド ストレプトマイシン、エタンブトールピラジナミド等の薬を使って治療する場合が多いです。
上記の薬剤の中から2、3種類を2カ月、その後1から2種類を4カ月が通常の服用する場合が多いです。
以前は治療に約2~3年以上でしたが、今は約6カ月~1年程度で治療を終了する場合が多いです。
再発しないように、薬剤耐性にならないために重要なことは、処方された薬を最後まできちんと服用することです。
この原則が徹底されず薬剤耐性になってしまった結核菌に感染すると、治療は困難をともないます。
抗結核薬の服用は副作用を伴うこともあるので、疑問があれば小さなことでも主治医に相談しましょう。
入院が必要な場合もあります。
全身状態が悪く、症状が強いとき、あるいは周囲に感染の恐れがある時も入院が必要です。結核菌の活動が停止すれば外来通院になります。
今では手術による治療は減りましたが、薬剤投与でも菌が無くならない場合手術が検討されます。

予防についてはどのようにしたらよいのですか?

結核の予防には大きく分けて3つの方法があります。

  • 感染をする前には・・・ BCG接種を行います。

    BCG接種とは結核菌の感染を受けていない人に、ごくごく弱い菌をあらかじめさして、結核に対する免疫をつけるワクチンです。日本では生後6カ月までに1回だけ行なってます。接種効果は10~15年持続と考えられます。

  • 感染をうけてからは・・・ 潜在性結核感染症治療を行います。

    最近感染した人がその後1~2年後に発病することがあり、予防薬として治療にはイソニアジドを6~9ヶ月服用します。
    診断はツベルクリン反応、血液検査を行います。

  • 感染を強く疑う場合は・・・ 接触者健診を行います。

    誰かが結核を発病し、排菌している場合は、その周りに結核をうつしている可能性があります。集団発生に発展しないよう、感染源を見つけることが重要です。このような調査、検査を接触者健診といいます。

健診では、調査、血液検査、ツベルクリン反応、胸部レントゲンなど、初発患者さんとの接触から2年くらい検査を繰り返し行う必要があります。

上記のように結核はいまだに非常に恐ろしい病気です。
結核は適切な検査を行えば比較的容易に診断がつく病気の一つですのでいたずらに心配する必要は有りませんが、風邪症状が長引けば疑う必要が有りますのでその際は医療機関を受診しきちんと医師に自覚症状を伝えましょう

上記のような前兆・症状が出たらかかりつけの先生にご相談下さい。

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